岡田亮(おかだ りょう)さんの作品は、一見、2色の
茶色を塗り分けたミニマルっぽい絵画作品、あるいは、
湾曲させたキャンバスに描いた抽象絵画に見える。
しかし作品に近づくと、それが絵画ではないと分かる。
表面を覆っているのは絵具ではなく土なのだから。
土は彼の地元、長岡京市の自宅や近所、遺跡発掘現場
から入手したもの。それらをふるいにかけ、3段階
ぐらいの目の粗さに分類して使い分けているそうだ。
支持体(土が接着されている土台部分)もキャンバス
ではなく、アクリルボードを火にあぶって曲げた物を
使っているとのこと。巨大な横長の作品のみ鉄板で、
茶色部分は土ではなく鉄錆である。また、緑色は
土に混ぜた銅が錆びた緑青の色だ。
まるで地面を剥ぎ取ってきたかの様な物質感、
そして存在感が作品から強く放たれている。
なのに決して泥臭くならず、一個の作品として
凛とたたずんでいるのが見ていて気持ち良い。
土という、絵具より遥かに長い時間を孕んだ素材が
醸し出す悠久の感覚。作品サイズ以上の感慨が
ひしひし伝わって来る展覧会だった。
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