勝手にRECOMMEND 〜小吹隆文の、関西・アート・見聞〜
展覧会レビュー  平成19年7月6日


『岡田亮展 Aleph Zero 時の解放』

意外な素材使いが新鮮。悠久の時を感じる作品


岡田亮(おかだ りょう)さんの作品は、一見、2色の
茶色を塗り分けたミニマルっぽい絵画作品、あるいは、
湾曲させたキャンバスに描いた抽象絵画に見える。

しかし作品に近づくと、それが絵画ではないと分かる。
表面を覆っているのは絵具ではなく土なのだから。

土は彼の地元、長岡京市の自宅や近所、遺跡発掘現場
から入手したもの。それらをふるいにかけ、3段階
ぐらいの目の粗さに分類して使い分けているそうだ。

支持体(土が接着されている土台部分)もキャンバス
ではなく、アクリルボードを火にあぶって曲げた物を
使っているとのこと。巨大な横長の作品のみ鉄板で、
茶色部分は土ではなく鉄錆である。また、緑色は
土に混ぜた銅が錆びた緑青の色だ。

まるで地面を剥ぎ取ってきたかの様な物質感、
そして存在感が作品から強く放たれている。
なのに決して泥臭くならず、一個の作品として
凛とたたずんでいるのが見ていて気持ち良い。

土という、絵具より遥かに長い時間を孕んだ素材が
醸し出す悠久の感覚。作品サイズ以上の感慨が
ひしひし伝わって来る展覧会だった。



『岡田亮展 Aleph Zero 時の解放』
7月3日(火)〜8日(日)
12:00〜19:00(最終日は12:00〜18:00) 会期中無休
ギャラリーすずき
京都市東山区三条通蹴上(ウェスティン都ホテル京都前)
TEL 075-751-0226
URL http://keage-g-suzuki.com/


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