勝手にRECOMMEND 〜小吹隆文の、関西・アート・見聞〜
展覧会レビュー  平成18年11月14日


『八木良太 文字の存在論のために』

新世代のコンセプチュアルアート登場!?


八木良太(やぎ りょうた)さんを知ったのは昨年の
神戸アートアニュアル『眺めるに触れる』でのことだ。

その時は、氷製のレコードや爪楊枝でレコードの溝を
こする作品(どちらもちゃんと音が鳴る)など、
どちらかと言うと音楽との関連性が目立っていた。

今回も音を扱った作品はあるが、メインテーマは
文字と記号、それらに関する認識である。

例えば『星の王子さま』の原文をガラス板の表裏に
刷った作品では、アルファベットがよく見えないのに
対し、ピリオドやカンマなどは白く浮き出ている。
「大切なことは見えない」を鮮やかに体現した表現だ。

他にも、虹に関するテキストを用いた作品では
近寄るほど文字が読めなくなる仕掛けで虹の本質を
表しているし、エリック・サティの楽譜を用いた作品
では音楽の調性の不思議がビジュアル化されている。

思考を説明するのではなく、アートの技法を用いて
鮮やかに描き出す手腕は見事と言う他ない。

コンセプチュアルアートや知的遊戯性の強い表現が
好きな人は見ておくべき若手作家である。



『八木良太 文字の存在論のために』
11月7日(火)〜19日(日)
13:00〜20:00(最終日は13:00〜18:00) 月曜休み
ヴォイス・ギャラリーpfs/w
京都市上京区河原町通今出川下ル梶井町448
清和テナントハウス2F
TEL 075-211-2985
URL www.voicegallery.org


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