ピンと張った布の何ヵ所かに糊を置き、大きなヘラで
こすり付けた後、染色する。加賀城健(かがじょう
けん)さんの作品は独自の手法で知られている。
本展には脱色の手法で制作された大作2点と、
タブロー状の小品2点が出品された。
ヘラで糊がこすり付けられた部分は脱色剤に反応せず
独特の波打った模様が形成される。作者の身体の動きが
そのまま痕跡として残るダイナミズムは、他の染色作品
にはない加賀城さんならではの魅力だ。
更に今回は、糊を置く前に布にテープを貼り、
真っ白な色抜けの面で模様を作る試みも行っている。
例えば、白黒の大作には雷のような模様が入っているが、
それが今回試みた部分だ。平板な白色の面が波線模様の
上に重なり、新たな空間を作り出している。
異質な要素を導入する事で表現の新局面を引き出すのが
狙いだろう。ただし、模様次第で作品全体が陳腐化する
恐れも高い。その点この手法には注意が必要だろう。
また、紫色の大作は先日別の展覧会に出品されたものだ。
場所や展示次第で印象が一変することに驚かされた。
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